現時点での生活力の意味は、お金とか専門技術とかではなく
もっと原始的な、生きるための最低限の技能。
たとえば親が留守の時にお腹が減ったら
自分で冷蔵庫にあるものから何か食べられるものを作るとか、
お菓子の袋が開けられなかったら、はさみを使ってみるとか…。
状況に臨機応変に対応できる力、サバイバル力ともいえるかな。
うちの子どもたち、父母が常に家にいてあれこれと世話をしがちなので
そういう意味での生活力がちょっと弱い気がします。
特に姉のミチは、長女だからか生まれつきの性格なのか
一つひとつ、正しいのかを確認しないと先に進めません。
「適当にやる」というのが最も苦手。
事細かなディレクションを求めてきます。
この夏休み、子どもたちには毎日交代で、朝ご飯の準備を手伝ってもらっています。
こういうところで、それぞれのキャラが出るのでちょっと見物です、笑。
プレーンオムレツの場合…
長女のミチはもう何度も作っているので、できるはずですが
砂糖や牛乳の量をいつもいつも確認してきます。
「このくらい」の感覚がつかめないし、失敗するのを恐れているみたい。
だから、ミチには卵一個に対して砂糖と牛乳の量をきっちり決めました。
計量スプーンで計れば間違いない!
おかげでだいぶスムーズに事が運ぶようになったけれど
それでも「砂糖は小さじ1/2だよね?」と確認してきます。
慎重派。
リコは母の適当な口頭の指示で割とさっさと動きます。
「適当な」量を知らないので、入れすぎたり少なすぎたりしますが。
リコのオムレツ作りをみておもしろいのは、
フライパンをあたためて、バターを入れて溶けたら
卵液を入れる…というプロセスをふまず、
いきなりフライパンに卵を入れようとするところ。
そのたびに、火を付けて先にあたためるんだよ、とアドバイス。
ちょっとこっちが慌ててしまう…。
一見しっかり者で慎重派のミチですが、生活力という観点からすると
弱いかなあと思います。指示待ち人間?
もっと自分で考えてやってみて欲しい。
trial and error!
一方リコは、失敗は多いけどとりあえず思うようにやってみようとするあたり、
なんとか生きて行けそうな気がします。
親の目を盗んで、隠し持っているお菓子を食べてみるとか
バナナを冷凍庫に入れて、自分のためにバナナアイスを作るとか。
そういうちょっとしたことも、生活力なんじゃないかな。
総菜屋を長年営んでいる私の父は、アルバイトの若者を雇うときには
いつも「ちょっとワルだった人」を採用します。
長年の経験から、ワルさをしてきた人は仕事が器用な傾向があると
父は言います。
それはもしかしたら、生活力がものをいっているんじゃないかな。
